クリスマスリースの由来
クリスマスリース。
日本でも、ハロウィンが終わって、11月の声を聴くと、街中がクリスマスにシフトしていきます。
クリスマスは、元々は、キリスト教の行事です。
キリストの生誕祭として、長い期間お祝いをするものです。
一方、リースの起源は、元々、古代ギリシャの冠だと言われています。
古代ギリシャでは、花や、葉、植物で冠や首飾りを創り、
セレモニーなどに用いたと言われています。
月桂樹の冠、本などでも見かけたことありますよね。
冠は、太陽の象徴であり、特別なものとして、様々なシーンで登場したようです。
少しづつ各地に広まり、常用樹で作られるようになりました。
冬でも緑鮮やかなリースは、豊作、繁栄の象徴と意味付けされ、お祭り、お祝い、など
益々、人々の文化の中に根付いていきました。
古代から、植物は、人間の文化に大きく貢献してきてくれたのだと思います。
植物による花輪、というものがキリスト教に浸透していったのは
ごく自然なことだと思われます。
クリスマスリースの意味
私たち、フラワーデザインを学ぶものは、その歴史や意味などを学びます。
古代から伝わってきたリースの意味に、大きく関わるのが「輪」という形。
終わりがないという意味です。
始まりも終わりもなく、永遠であることを意味しています。
キリスト教の教えにおいて、神様からの永遠の愛を願うものとして、浸透していくこととなりました。
リースは冬でも枯れない常緑樹で作られ、豊かな作物の実りを願う意味もあるのです。
松かさや、リンゴ、サンキライの実などの自然素材をデコレーションするのも頷けます。
常緑樹の生命力とともに、力強い大地の力を願ってのことでしょう。
各家の玄関ドアに飾られるリースには、魔よけの意味もあるものです。
ヒイラギの尖った葉っぱは、ものすごく痛いのですが、
そういう部分にも、近寄れない、悪いもの、魔物を寄せ付けない、
という意味が含まれていそうです。
そして、忘れてはならないのが、クリスマスは新年とセットでお祝いされるということです。
日本では、お正月という文化があるので、12月25日が終わると同時に、
お正月飾りに早変わりしますが、欧米では、新年を祝うためにクリスマスリースをしっかり飾ります。
I wish you a merry Christmas
And a happy new year
という歌詞にもあるように、キリストの生誕とともに、
新しい年が、災いから守られ、強い生命力をもたらせるように、
人々の願いが乗せられてきた象徴的なものです。
クリスマスリースの色とセラピー効果
昨今は、色々なバリエーションのクリスマスリースのも出てきていますが、
トラディショナルなリースは、
赤、緑、白、ゴールドが用いられています。
赤色・・・キリストの血の色、太陽を示す色、愛
緑・・・永遠の愛、永遠の平和
白・・・純潔な思い、雪
金・・ベツレヘムの星を表す、高貴で尊いもの
というように、カラーにはその象徴と言える意味があります。
そして、生のグリーンで制作したことがある方はわかると思うのですが、
クリスマスリースのグリーンには、素晴らしい癒し効果があるのです。
針葉樹の香りは、本当に脳と心に染みわたります。
目先の忙しさを忘れさせ、緊張感を解きほぐし、リフレッシュさせてくれます。
クリスマスリースを創るのは、手間がかかるのですが、
その間中、そのグリーンの香りに包まれます。
レッスンの部屋は、深呼吸したいほどの空気感になります。
その時間の効能は、本当にありがたいです。
毎年、クリスマスリースだけはどうしてもやりたい！！
という方が多いのも、クリスマスリースの効能なのかもしれません。
クリスマスリースの色々！
毎年、色のテーマなどを決めながらも、自然素材、伝統感を大切に作っているリースです。
ヒムロ杉は、厚み、ボリュームが出ます。
モミの枝は重厚感、スケール感が出ます。
クジャクヒバは、黄みがかった葉で、茶系の松かさと合わせると
コントラストが際立ちます。
松かさは、スノー仕立て、半脱色、プラチナ色、など色々楽しみながら入れていきます。
ワタカラ（コットンフラワーの綿を取った部分）は
毎年、着色されたゴールドやプラチナピンクなど、出回ります。
自然素材の植物は、バーゼリア、ネズ枝などを入れるとグリーンにも深みが出ます。
もちろん、例年出てくるものもありますが、
その年、それぞれ、自然素材や、加工品など出てくるものが変化あすることもあるので、
昨年の欲しかったな~というものがいつも出てくるとは限りません。
クリスマスリースも一期一会。
先人たちのように、
一年の終わりに、無事でいられることに感謝し、
また、良い年を迎えられますようにと、祈りを込めながら、作りたいものですね。
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