落ちきなくて困っている男の子、いますよね。
乱暴なこともするし、じっとしていられないタイプって思っていた子。
でも、魔法のようにじっとできる意外なこと、見つけました!!
こんな要素があると、新しい一面を見つける出せるはずですね。
- 敢えて遠い存在と思われるものを体験させてみる
- 綺麗なものに触れさせる
- 自分が作ったものを鑑賞させる
1.敢えて遠い存在と思われるものを体験させてみる
そして、このテーマ、ズバリ、「お花を活ける」です。
「花育」という言葉を聞いて久しくなりますが、実際、どのくらい浸透しているのでしょうか。
まだまだ、たくさんの方に知ってほしいですね。
とある埼玉県の社長さんのお宅にお邪魔して、お子さんと一緒にお花を活けてみました。
お姉ちゃんと、弟クン、弟クンは、保育園の年長さん。人懐こくて、元気がよくてかわいい!!
お父さん曰く、とてもヤンチャらしいです。
お姉ちゃんは、以前にも一緒にお花を活けてくれました。
1回目は3か月ほど前、初めての体験で、少しはにかみながら、エンジンがかかるまで少し時間を要しましたが、
今回は、弟クンも一緒でなので、少しリードする感じで楽しげに始めてくれました。
何が始まるのか、さっぱりわからなかった弟クンも、包装紙の中から姿を現した花たちに興味津々。
今回は、少し大人っぽく。
紫陽花の花に、グリーンのトルコキキョウ、ピンクの芍薬、スプレーバラに、アストランティア、スモークツリー、ドウダンツツジ、鳴子百合。
初夏の爽やかな、品のいい感じ。
なかなか、自宅でお花のレッスンをする機会なんてあるものではありませんから、とても貴重な体験をできる子供たちです。
いつもわんぱくで、手を焼いてるという弟クン。
初めてお花を活けるという経験。
ここからご両親も知らない一面を見せてくれることとなるのです。
2.綺麗なものに触れさせる
綺麗なものに触れる。
これは情操教育としてとても大切なこと。
お花について言えば、子供たちも見ることは多いですよね。
おうちのお庭、通学路の道端、公園の花壇、街路樹、色々な季節の花々を目にすることも多く、
本当はたくさん目の中に入ってきています。
そこに意識が向いていれば、春夏秋冬の季節感とともに、情緒の扉をたたくことはできます。
ただ、よく私たちは、「キレイに咲いている花を摘んじゃダメ」「お花は見て楽しむもの」
というような固定概念で話してしまうことがあるんですね。
もちろん、そういう部分はあります。
花壇に綺麗に咲いてる花を、摘むのはいけないことですし、見て鑑賞するためのランドスケープです。
でも、そうすると、花は見るもの、という感覚になってしまう。
これは本当にもったいないことなのです。
お花の効能は、五感でじっくり感じられるものです。
眼で見て、感じたものに触れてみる。
手の中で感じてみる。
これは想像以上に、心の深いい部分に響いてきます。
よく見るお花であっても、それを触り、姿を見ながら活けてみる。
まさに向き合うこと。
この経験が、ものすごく優しさを呼び起こしてきます。
きっと初めての経験。でもそれが、今までにない感情を呼び寄せることとなります。
芍薬の蕾は小さなボールのようで可愛い。
でも咲いてきたら、くす玉みたいになって、別のお花みたい。
紫陽花はよく見ると、小さな可愛い花の集まり。
小さいい花弁は、ほんとにかわいい。
トルコキキョウは、蕾はグリーンだけど、咲くと綺麗な白になる。
アストランティアは、初めてみる花。色は薄いけれど、ゆらゆらした感じがかわいい。
と、色々な発見が出てきます。
一本一本を見ながら、好きなように活けていく、
この感覚が、気持ちを豊かに、そしてほんのひと時でも、落ち着きの時間となります。
3.自分が作ったものを鑑賞させる
とても優しい作品に仕上がりました。
お姉ちゃんのも、弟クンのも、それぞれに素敵。
フラワーセラピーというものは、良し悪しではないのです。
個々に好きなように活けるのです。
そこに人がまねできない感性が宿ります。
お姉ちゃんは、どちらかというと少しはにかみ屋さんの印象がありましたが、
2回目ということもあり、堂々の作品。
開き目の芍薬をはっきりと、バラやトルコは低めに、グリーンとのコントラスト。
メリハリのある作品です。でも、蕾や小さな花は、伸び伸びと広がっています。
自分の軸から、しっかりと、でも少しづつ言いたいことを言っていけるような感じです。
そして、弟クンの作品は、好奇心旺盛な広がりとともに、本当に、1本1本の花の表情を捉えています。
その観察力は、男の子ならではの集中力かもしれません。
印象的だったのは、小さな紫陽花の花弁をコップに浮かべてみたり。その花弁の姿の可愛らしいことといったら!
想像以上の感性です。
そして最後に、信じられないような素敵な作品。
挿したお花は3輪だけです。大きく咲き始めた芍薬、アストランティア2輪。
大輪の芍薬の背後に、可憐なアストランティアの見事なリフレイン。
計算されたわけではないデザインなのに、でも何かを物語る、心を惹かれるリズム感。
閃き、直観、心の響き。
子供らしさのしなやかさ。
おばあちゃんもいらして、みんなでその作品を眺めあう。小さな感動の共鳴ですね。
ご両親もみたことのない、あまりにも意外な一面を披露してくれました。
やっぱり、花育、大好き。
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